ビデオコマース(Vコマース)を活用したECサイトの成功事例vol.1~「ショッパラブル動画」とは?

ビデオコマース

今回は、日本のネットショップでも導入事例が増えている動画を使ったマーケティングであるビデオコマースについて解説します。

 

昨今、YouTubeやスマホの登場により、以前と比較すると格段に動画は身近な存在になってきております。

 

すでに運営サイト内で動画を展開している企業も少なくありませんが、アンケートによると現在は「商品の機能性を説明する動画」や「実験による立証結果をアピールする動画」などを取り入れている動画が多いと言います。

 

しかし、動画を用いた“話題作り”を通じて顧客と接点を持ちたいと考えている企業が多く、「企業・商品などのイメージをより分かりやすく伝えたい」「言葉にできない表現を感覚的に伝えたい」とこれからも動画でのプロモーションに意欲的な企業も少なくありません。

 

例えば、コスメの使用方法(メイク方法)をレクチャーする個人の方の動画が注目されたり、食品や製品、楽曲など多用な商品の良さを企業や消費者が楽しく伝える動画が増えてます。

 

つまり、大企業のようにTVCMやマス広告などを大々的に展開することが難しい中小企業や地方企業であっても、ユニークな動画を使って全国規模で話題化することはアイデア次第で可能なのです。

近年だと地方の企業や役所も公開した「AKB48 / 恋するフォーチュンクッキー」の楽曲を使ったPVが非常に注目を集めました。

 

株式会社PR TIMESが企業の広報担当101人を対象に実施したアンケートによると、広報担当者が注目しているPR手法としてソーシャルメディアの次に「動画コンテンツの活用」を挙げています。

動画コンテンツの活用

(出典:http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000424.000000112.html

 

そこで、ECサイト内で動画コンテンツを活用した「ビデオコマース(Vコマース)」について、特に動画を活用したマーケティングが盛んな海外の事例をご紹介します。

 

今回は、視聴者が動画を見ながらアイテムを購入できる「ショッパラブル動画(Shoppable Video)」という海外で注目されている手法の事例をピックアップしました。

世界的ブランドの「Gucci」「Ralph Lauren」、オンライン小売店「eBags」の各サイト内で活用されている「ショッパラブル動画(Shoppable Video)」の事例をご紹介します。

 

Gucciの事例

グッチならではの高級感あふれるブランドイメージを感じることができる動画でありながら、動画を見ながら各アイテムの使用感などをイメージしやすいのが特徴です。

 

http://www.gucci.com/us/worldofgucci/shoppable_video/shop-this-video

 

動画内に登場するモデルが着用・使用しているアイテムが画面右側にラインナップされています。動画内に登場するアイテムの上にはグッチマークが表示され、そのマークをマウスオーバーすると商品名や値段などを見ることができ、そのまま購入することができる導線が作られています。

 

Ralph Laurenの事例

大人向けのファッションアイテムだけでなく、子ども用のラインナップも豊富に取り揃える「Ralph Lauren」。昨今、電子書籍の絵本や子ども向けアプリが人気を集める中で、まるでストーリーブックのような動画が注目を集めています。

 

http://www.ralphlauren.com/shop/index.jsp?categoryId=11958441

 

同ブランドの洋服やアイテムを身につけた子どもが動画上に登場します。洋服やアイテムの上にマウスオーバーし、クリックすると、それぞれの子どもたちのクローゼットを模した画面に遷移。その画面に表示された洋服やアイテムをクリックすると、そのまま購入できる導線が作られています。

 

欧米系の子どもたちだけでなく、黒人やアジア人など、さまざまな人種の子どもたちを揃えているのも特徴。グローバルブランドならではの工夫ですね。

 

eBagsの事例

「eBags」は、ハンドバッグやバックパック、小物などを扱うオンライン小売店です。

下記の事例の場合、「The North Face Base Camp Duffel」というバッグを使って雪山登山をする様子を動画で紹介しています。

 

http://video.ebags.com/v/14099/the-north-face-basec-duffel-duffels-sports-18/

 

ドキュメントタッチの動画なので、実際にバッグを使用するシーンや使用感などをイメージしやすいのが特徴です。商品の詳細や値段を確認できるボタンが画面上に常設されており、顧客が気に入った時点で即購入できる工夫が施されています。

 

企業側としては、ショッパラブル動画を使って自社ブランドのストーリーや商品を分かりやすく紹介できるというメリットがあります。また、顧客にとっても、ショッパラブル動画を通じてそのブランドが自分のライフスタイルや好みにフィットしているかどうかを瞬時にイメージできるため、購買行動に移りやすいとされています。

 

特にファッション系のサイトの場合は、実際に着用・仕様したときのイメージやアイテムの使用感を、テキストや商品画像だけで伝えるのに苦労している運営者も少なくないのではないでしょうか。

 

動画を活用すれば、そういった悩みを解消できるので、コンバージョンにも繋がりやすいのが魅力です。

 

今回の事例は、かなり規模も大きく凝った動画ですので参考にし辛い点もあるかもしれませんが、大切な事はネットショップでも動画を使ったマーケティングの波が来ているという事です。

 

そしてビジュアルクオリティよりも重要な事は、顧客の悩みを動画を使って如何に解決するかという事です。

 

是非、どのように動画を使えば、自社の顧客の悩みが解決できるか考えてみてください。

 

山中洋史

コンサルタント紹介:Hiroshi Yamanaka

ネットショップのユーザビリティや導線の設計を手掛けるデザイナー兼コンサルタント。
最近はUSPの構築など戦略全体から手掛ける事も増えているため、
クライアントの価値観や物事の本質を見極めることを心掛けている。

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