ネットショップに限らず、自分のサイトを誰かに見てもらう為に、SEO対策はとても重要です。
自分のショップが検索サイトの上位ページに載るということは、大通りに店を構えることと同じで、反対に検索サイトに載ってこないということは、人通りのない誰も知らない裏小路に店を構えるような事です。
自社の見込み客が「どのようなキーワードで検索するか?」「どのようことを求めているか?」など顧客の心理や行動を考えずに、検索サイトの上位ページに載せることは非常に困難です。
また、やみくもに上位表示させる事だけに執着すると検索サイトの上位に載らないどころか「スパム扱い」となりページが検索エンジンから削除される事もあります。
とにかく顧客の事を考えないで、SEOのテクニックに依存することは非常に危険です。
では、「顧客の事を考えた理想的なSEO対策」とはどのようなものでしょうか。
SEO業者に依頼する前に、まずはご自身で基礎知識を身につけ、正しく判断できる力を付けましょう。
そうすれば、SEO業者とのやり取りもスムーズになり、的確な依頼が出来ることでしょう。
また、間違ったSEO対策をしている業者を見極める事も可能になります。
間違ったSEO対策がショップの検索順位を下げている?
SEOと言えばキーワード設定ですが、もうひとつ言われてきたのが「被リンク※」です。
※「被リンク」とは、他のサイトからリンクを貼る事です。
数年前までは、たくさんのサイトからリンクが貼られていれば、そのサイトは「有益なサイト」であるとされ、Googleからの評価が上がるというものです。
この「被リンク」が欲しいために「関係ないサイトとリンク」する事をSEO対策として提供する業者が沢山いました。
今でもどうやらあるようですが、この「関係ないサイトとリンク」する手法、つまり被リンクを取得するためだけのリンクは、Googleが「スパム」と認定して、検索順位を下げる、または検索順位に上げないようになっています。※その判断は、非常に賢いGoogleのロボットが行っています。
関係ないサイトというのは、何のつながりもなく関連性のないサイトになりますので、ユーザーにとっても当然意味の無いサイトになります。
あまりにもこの「被リンク」が蔓延したためにスパム対策の基準が厳しくなり、リンクを受ける方もする方もスパムに間違えられないように慎重に対策するようになり、せっかくリンクをしても「no follow」タグを付けるなど、被リンクに関してはあまり意味が無いものとなってきています。
しかし、未だに被リンク信仰は根強く、外部サイトから必要以上にリンクさせたりサテライトサイト(被リンクを増やすための自作自演サイト)をいくつも作ったりなどの手法が使われています。
いつの間にか「順位が下がった」というサイトを詳しく調べてみると、昔SEO業者に頼んだ被リンクが残っていたり、サテライトサイトに同じ文章・記事をひたすら機械的に更新しているままだったりします。
ショッピングモールに出店しているショップの場合、アフィリエイターが記事作成ツールなどを使ってサテライトサイトをいくつも作成し、その被リンクが大量にある場合があります。
そのような場合、アフィリエイターを管理できないことがあり、ブロックも出来ずに結局ショップの順位が下がったり、最悪の場合にはアフィリエイターのサイトより下がってしまうこともあるのです。
お客様の事を考えた顧客ファーストのSEOへ
上記の通り、間違ったSEOとは「順位を上げることだけ」に執着した手法です。
Googleはこの「順位を上げることだけ」を行うSEOについて厳しく取り締まっており、反対に顧客の事を考えた「有益なサイト」や「読み手が知りたい情報を持つサイト」について高く評価を行うようになりました。
具体的に言うと、「コンテンツ(情報)」の充実さです。
今は消費者・お客様目線に立って、そこから導かれるコンテンツ・情報を届けることが最高のSEOなのです。
なぜ見込み客や潜在顧客が検索を行うのかというと、欲しいものをダイレクトに検索する場合ももちろんありますが、そこには大抵理由も付随します。
「英会話教材」だけではなく、「英会話 一週間 ビジネス」(ビジネスで使える英会話を一週間で習得したい)、「英会話 キッズ 親子」(親子で一緒にたのしめる英会話教材、または教室)などです。
そうした見込み客のニーズや潜在的欲求を考えることによって顧客の欲求を満たすコンテンツを作ることが出来ます。
これが、Googleが推奨する「ホワイトハット(健全な)SEO対策」です。
しかし、ショッピングモールやレンタルカートの場合、この「コンテンツ」部分に利用制限があり、充実させる事ができないこともあります。
先々のコンテンツ発信やSEO状況を考えると、独自ドメインの自社ECサイト内で、独自性のあるコンテンツを作る事が効果的なSEO対策になると言えます。
また、複数のモールに出店している場合や、サイズや色が違うだけでほぼ同じ内容のページが複数がある商品などは「コンテンツの重複」となりページが評価されない可能性があります。
このような場合は、カノニカル(canonical)タグを使い、URLの正規化を行う事が必要です。
※カノニカルタグについては、別途記事を書きたいと思います。
正しく効果のあるSEO対策というのは「お客様目線に立った」販促です。
ネットだから違うというわけではなく、リアルでの販売と全く変わりません。
お客様が求めているものや、必要とするものを提供するというビジネスの本質がSEO対策でも大切なのです。
どのような悩みを解決したいのか、どのようなイメージになりたいかなど、見込み客のニーズ(潜在的なものも含み)を徹底的に洗い出し想像し、そこから生まれるキーワードとコンテンツを発信し、トライアンドエラーを厭わずに更新していくことが重要です。
つまり、自社の顧客のことを知る事が良いコンテンツ作り、しいてはSEO対策をする上で一番重要な事になります。
ビジネスの本質に基づいたコンテンツマーケティングとは?
なお、このような考え方に基づいた新しいウェブマーケティングの手法が「コンテンツマーケティング」と言われるものです。
日本でも2012年頃から注目され始め、2014年からは急激に検索される回数も増えておりますので、取り組み始めた企業も多いのでは無いでしょうか。
このビジネスの本質に基づいた「コンテンツマーケティング」については、後日詳しく述べたいと思います。
ビジネスの本質に原点回帰し、顧客ファーストのSEOに是非トライして下さい。
コンサルタント紹介:Hiroshi Yamanaka
ネットショップのユーザビリティや導線の設計を手掛けるデザイナー兼コンサルタント。
最近はUSPの構築など戦略全体から手掛ける事も増えているため、
クライアントの価値観や物事の本質を見極めることを心掛けている。