ECサイト(ネットショップ)に必須の機能が、お客様からの注文を受けるための「カート機能」(注文フォーム)です。
アクセス解析を導入すると分かりますが、実は商品を選択して決済画面まで進んだにも関わらず、最終的に商品購入に至らないユーザーが一定数存在します。
この現象をECサイト業界では「カゴ落ち」と呼んでいます。
さて、今回の記事では、CV率(商品購入率)を改善するための注文フォームを改善するための10のポイントをご紹介します。
全て簡単に実践できるものですので、確実に取り組んでください。
ポイント①:購入完了までのステップを明示する
一般的なECサイトでは、「入力」⇒(「会員登録」)⇒「確認」⇒「決済・購入完了」という3ステップまたは4ステップの流れになります。
この流れは、ECサイト運営者の側からすると自明の理なのですが、ユーザーにとっては、「今はどの段階なんだ!?」「いつになったら購入が完了するんだ!?」という疑問を感じる場合があります。
そのため、購入完了までのステップと、今どの段階なのかを、各ページで明示するようにしましょう。
ポイント②:入力必須項目を明確にする
注文フォームの入力項目には、必須項目とオプション項目があります。
必須項目とは、「名前」「住所」「決済情報」など注文確定と商品発送のために絶対に必要なもの。
オプション項目とは、「ラッピング包装」「日付・時間指定」「アンケート」など必ずしも入力の必要はないものです。
分かりやすく色分けするなどして、入力必須項目を明確にしましょう。
ポイント③:エラー箇所を明確に示す
注文フォームでは、入力漏れや入力ミスなどの際に、確認画面に進むことが出来ず、「エラー表示」が出て再度入力画面に戻ることがあります。
皆さんも経験があると思いますが、このエラー画面が出ると、「面倒くさいなぁ」と感じるものです。
そこで、少しでもユーザーのストレスを減らして離脱率を低下させるために、エラー箇所は明確に示しましょう。
テキストで指摘するだけでなく、該当箇所のメールフォームをカラー表示するなど、視覚的に分かりやすくすることがポイントです。
ポイント④:スパム対策キャプチャを導入しない
ここ数年、メールフォームを悪用したスパム行為が増加していることもあり、メールフォームの送信画面に、テキストが含まれた画像を表示して、そのテキストの入力を求める「スパム対策キャプチャ」を導入しているECサイトが多く見受けられます。
しかし、このシステムは人間が見ても読み取りづらいケースも多く、離脱率を高める結果に成り兼ねません。
スパム対策はメールソフトで対応することにして、ユーザーに煩わしさを感じさせないようにしましょう。
ポイント⑤:余計なリンクを全て排除する
注文フォームのページからは、不要なリンクを全て排除しましょう。リンクの数だけ、ユーザーの購入意思を惑わせることになります。
必要最低限のリンクとして、「買い物を続ける」と「特定商取引法に基づく表示」は必要ですが、その他のリンクは不要です。
注文を完了させることに特化させたページ構成を心がけましょう。
ポイント⑥:郵便番号からの住所自動入力に対応する
注文フォームの中で、最も文字数が多いのが住所です。
そこで、郵便番号を入力したら自動的に住所・番地まで表示されるように設定しましょう。
ユーザーが入力するのが、建物名と部屋番号だけになれば、入力の手間が大きく省けますので、カゴ落ち率を低下させることができます。
ポイント⑦:Tabボタンでの項目移動に対応する
パソコンやネットに慣れたユーザーは、入力フォームの項目移動はキーボードの「Tabボタン」を利用しています。
カラーミーやショップサーブなどのECサイト構築サービスを利用すれば、デフォルトで対応していますが、ゼロから構築したECサイトでは未対応のケースも見受けられます。
ユーザーの利便性を損なわないように、入力フォームのTabボタン移動には、必ず対応しましょう。
ポイント⑧:プルダウン式は選択するユーザーが多い順に並べる
注文フォームの中で、プルダウン式の選択項目を利用する場合があります。
項目数が少なければ問題ありませんが、項目数が多い場合は、ユーザーは該当する項目を探すのを手間に感じます。
多くのECサイトで、50音順やアルファベット順などに項目を並べていますが、選択するユーザーが多い順に並べるようにしましょう。
ポイント⑨:スマホからの表示に最適化する
最近では、ECサイトへのアクセスの半数程度がスマホ経由になっています。ですが、多くのECサイトにおいて、スマホからのCV率はパソコンからのCV率に劣っているという現状があります。
注文フォームをスマホ表示に最適化して、スマホ経由のCV率を少しでも向上させるように配慮しましょう。
ポイント⑩:電話番号を記載してカゴ落ちも拾い上げる
注文フォームをどれほど改善しても、煩わしさを感じて途中で商品購入を辞めてしまうユーザーをゼロにすることはできません。
特にパソコンやスマホの操作に慣れていない高齢者や女性などは、離脱する割合が高くなっています。
そこで、注文フォームに電話番号を記載して、「電話注文も受け付けています!」と記載してみましょう。
スマホ画面ではタップすると電話アプリが立ち上がる設定にすると良いでしょう。
注文フォーム(EFO)の改善ポイントのまとめ
ECサイトの利益に直結する注文フォームの改善は、売上や利益の確保に不可欠な要素です。
できることから確実に取り組んで下さい。
関連記事:決済画面での離脱率を改善できるエントリーフォーム最適化(EFO)20の方法
コンサルタント紹介:Hiroshi Yamanaka
ネットショップのユーザビリティや導線の設計を手掛けるデザイナー兼コンサルタント。
最近はUSPの構築など戦略全体から手掛ける事も増えているため、
クライアントの価値観や物事の本質を見極めることを心掛けている。