前回から2記事に渡って、ECサイト運営に有益なグーグルアナリティクスの10項目をご紹介しております。
今回は後半として、「直帰率」「ユーザーの分布(年齢)」「ユーザーの分布(性別)」「地域」「デバイス」の5項目について取り上げます。
項目⑥:直帰率
ユーザー>サマリーを選択すると、「直帰率」という項目を確認することができます。
直帰率とは、サイトを訪れたユーザーの内、2ページ目以降を閲覧せずに、訪れたページのみを閲覧して離脱するユーザーの割合です。
あなたも経験があると思いますが、ネット検索して辿り着いたページを開いて、興味のある内容ではないと判断して、すぐに他のページに行くことは、決して少なくありません。
そのため、この直帰率の数値をゼロにすることは不可能ですが、50%を切ることを目標に、直帰率を低下させ、複数ページを閲覧するユーザーを増やすことを目指して下さい。
ECサイトの場合、購入するためには、最低でも商品詳細ページとカートページと決済ページの3ページは閲覧する必要がありますので、一般的なWEBサイトやブログよりも、直帰率を下げることに拘る必要があります。
サイドバーに人気商品を画像付きで並べたり、商品詳細ページの下部に関連商品一覧を表示したりして、特定のページを訪れたユーザーが他のページに自然と遷移してしまう仕組みを作ることが大切です。
項目⑦:ユーザーの分布(年齢)
ユーザー>ユーザーの分布を選択すると、ユーザーの年齢別構成を確認することができます。
今や、ネット人口は1億人を突破するほどで、小さな子供から、60代以上の高齢者まで、全ての年代の人々がインターネットを利用しています。
あなたの運営するECサイトを訪れるユーザーの年齢別分布を把握した上で、ECサイトのデザインや構成に活かすことができれば、購入率や売上の向上を狙うことができます。
たとえば、高齢者のアクセスが多いECサイトであれば、文字サイズを大きくしたり、電話注文を受けたりすると、効果的でしょう。
若者のアクセスが多いECサイトであれば、低価格帯の商品を充実させることで、購入率をアップさせることができるでしょう。
項目⑧:ユーザーの分布(性別)
同じく、ユーザー>ユーザーの分布を選択すると、ユーザーの男女別構成を確認することができます。
一般的に、男性は商品を選ぶ際に「機能」や「スペック」を重視する傾向があり、女性は「デザイン」や「キャッチコピー」に影響される傾向があります。
そのため、あなたが運営するECサイトのユーザーの男女比率を把握することは、ECサイトのコンテンツを考える上で、非常に参考になります。
また、もし男性向けの商品を販売するECサイトにも関わらず、女性のアクセスが一定数ある場合は、プレゼント目的の購買行動であることが想定されるため、「男性が女性から貰いたいプレゼントBEST10」のようなコンテンツがあれば有効でしょう。
逆に、女性向けの商品を販売するECサイトに男性のアクセスが一定数あるようであれば、「女性へのプレゼントにオススメの商品」などのカテゴリーを作って、ちょっと高額な商品をラインナップすると、客単価を効果的に上げることが出来る可能性が高いです。
このように、ユーザーの男女別構成を把握することで、様々な対策を取ることが出来ますので、ぜひ一度は確認してみてください。
項目⑨:地域
ユーザー>ベンチマークを選択すると、「地域」という項目があります。この項目では、あなたのサイトを訪れたユーザーの国・地域を確認することができます。
日本語で日本国内向けに運営しているECサイトの場合、95%以上が日本からのアクセスになることが多いですが、販売するジャンルや商品によっては、外国からのアクセスが10~20%ほどに達する場合もあります。
たとえば、海外に住む日本人が、居住国では手に入らない日本の商品(食材、調味料、書籍や雑誌、電化製品など)をネット通販で購入したいというニーズは常にあります。
現在では、約120万人の日本人が海外に居住しています。
もし、こうした人々のアクセスが一定数あることが確認できれば、海外発送に対応することで売上げアップを狙えます。
海外発送の場合に、多少の手数料を上乗せしても、現地では手に入らない商品であれば、購入してもらえる可能性は高いでしょう。
また、日本のアニメDVDやマンガ本、嵐やAKB48などのアイドル関連のグッズ、日本のゲームソフトや玩具など、海外に根強いファンを持つ商品もあります。
こうした商品のファンの外国人は、翻訳ソフトなどを駆使して日本語検索して、海外発送に対応したECサイトを探すことがあります。
そのため、海外からのアクセスの多いショップであれば、アクセスの多い商品だけでも英語の書品説明文を付記して、海外発送対応の旨を明記すれば、自社の市場を拡大することもに繋がります。
項目⑩:デバイス
同じく、ユーザー>ベンチマークを選択すると、「デバイス」という項目があります。この項目では、ユーザーが利用しているデバイス(端末)の割合を確認できます。
ほんの数年前までは、アクセスの90%以上がパソコンからで、残り10%弱が携帯電話(ガラケー)からという比率でした。
しかし、ここ数年のスマートフォンとタブレット端末の普及に伴い、最近ではアクセス元のデバイスが多角化しています。特に、若い女性をターゲットにするサイトでは、アクセスの過半数がスマホ経由というケースも珍しくありません。
スマホからのアクセスが今後も増えることは確実ですので、定期的にアクセス元のデバイスの比率を確認して、スマホやタブレット端末からも閲覧しやすく、購入し易いECサイトを目指すことが、これからの時代には不可欠です。
ECサイト運営に有益なグーグルアナリティクスのまとめ
前回と今回の2記事に渡って、ECサイト運営者がGoogle Analyticsでチェックすべき10項目について、ご紹介してきました。
Google Analyticsでは、非常に豊富なデータを閲覧できますので、どこを見れば良いか迷いがちですが、今回の2記事で取り上げた項目だけは、必ずチェックするようにしてください。
関連記事:ECサイト運営に有益なグーグルアナリティクスの10項目(前半)
コンサルタント紹介:Hiroshi Yamanaka
ネットショップのユーザビリティや導線の設計を手掛けるデザイナー兼コンサルタント。
最近はUSPの構築など戦略全体から手掛ける事も増えているため、
クライアントの価値観や物事の本質を見極めることを心掛けている。
ネットショップの売上改善のご相談を3社限定無料で承っております
同じカテゴリー「グーグルアナリティクス」の記事一覧です
- ECサイト運営に有益なグーグルアナリティクスの10項目(前半)
- ネットショップでウェブマスターツールを活用する3つのポイント
- ネットショップ運営者がチェックすべきアクセス解析の5つのポイント(後編)
- ネットショップ運営者がチェックすべきアクセス解析の5つのポイント(前編)
- ユーザーの追加:グーグルアナリティクスをより使いこなすためのTips
- フィルタ機能の設定:グーグルアナリティクスをより使いこなすためのTips
- 誰でも簡単!初心者のためのグーグルアナリティクスのコンバージョン設定方法
- 誰でも簡単!初心者のためのグーグルアナリティクスのトラッキングコードの設定方法
- 誰でも簡単!初心者のためのグーグルアナリティクスのアカウント作成と設定方法
- 誰でも簡単!初心者のためのグーグルアカウントの登録方法