ネットショップを始める際に、コンセプトが大事だという話は聞かれたことがあると思います。
しかし、実際にはそれがどういう意味なのか?
どのように考えるものなか?
きちんと考えずにネットショップを始めてしまった方もいるかもしれません。
今回はネットショップを始める時に、
どのようにコンセプトを決めたらいいか?
なぜコンセプトが必要なのか?
「ネットショップ始める際のコンセプトの決め方」を考えてみたいと思います。
なぜコンセプトが必要なのか?
コンセプトのないショップは、扱う商品やデザインがバラバラになってしまい、お客様の立場からすると魅力のないショップに映ってしまいます。
なんとなく売れそうな商品をなんとなくかっこいい、もしくは綺麗なデザインでまとめているだけの場合、そのショップで購入しなければならない理由はほとんどありません。
値段や付加価値、で比較されてしまう原因にもなってしまいます。
また、お客様像が決まっていなければ、どんなメッセージを打てば反応があるのかも分からないので、集客にも苦戦してしまうでしょう。
結果的に競合のショップに追いやられ、閉店してしまうということにもなりかねません。
実際に今苦戦しているネットショップに共通しているのが、コンセプトが明確でないことが多いのです。
一方でコンセプトが決まっているショップは、どのようなお客様にどのようなサービスをどのように届けるか?そしてお客様にどのようになって欲しいか。という一番大事な部分が明確になっているという事です。
コンセプトを明確にし一貫性を打ち出すことが出来れば、効率よくメッセージを見込み客に届ける事が可能になります。
そして、届けるメッセージと提供するサービスにブレが無いため、顧客満足度も高くなり必然的にリピートにも繋がります。
結果的に、売上もアップして毎月安定した経営にも繋がるのです。
コンセプトとは何か?
では、コンセプトはなにか?という部分を定義しておかなければいけません。
コンセプトとは考え方や概念などという意味がありますが、ここでは「届けるメッセージとサービスの整合性と顧客の未来像」とします。
このコンセプトや概念が曖昧なままだと、当然提供する商品やショップの方向性も曖昧なものとなってしまいます。
商品を作るときやショップを作るときに意識してほしいのが、「誰のためのどんな結果が得られる商品(ショップ)か?」ということです。
任天堂の大ヒットゲーム機「wii」は、「お母さんに嫌われないゲーム機」というコンセプトだそうです。
それを踏まえて考えてみると、
・お母さんに嫌われないゲーム機にするにはどんなゲームを開発すれば良いか?
・お母さんに嫌われないゲーム機はどんなデザインだと良いか?
・どの媒体で販促活動をすればより効率的か?
など具体的にマーケティング活動をすることが出来るようになります。
しかし、もしwiiが「面白いゲーム機」などという曖昧なコンセプトのものだとしたどうでしょうか?
これでは、具体的な商品の開発や広告やマーケティング活動が困難になるでしょうし、ここまでの大ヒットは望めなかったかもしれませんね。
wiiの大ヒットには他にも様々な要因があるのだと思いますが、その中の一つが明確で分かりやすい魅力的なコンセプトにあったと思います。
では次に魅力的なコンセプトを決める上で大事なポイントを紹介します。
ターゲットが誰か明確にする
まずコンセプトを決めるのにターゲットを決めなくてはいけません。
ターゲットによって伝えるメッセージや価値を変える必要があるからです。
特にターゲットは、絞れば絞るほど良いと言われています。
なぜなら絞り込むほど、自分達のするべき行動が明確になるからです。
逆に全員に反応してもらおうとして、ターゲットを絞らないメッセージを出しても、誰も反応してくれません。
なぜなら、それは”自分のことではない”と思ってしまうからです。
ターゲットを絞ってメッセージを発信することで、あなたのショップに来て欲しいお客様に反応してもらうことが出来るのです。
価値を伝える
価値やベネフィットを伝えることが大事だと聞いたことがあるかもしれません。
ベネフィットとは、その商品を買うことでお客様が得られる価値です。
商品からどのような価値を得られて、どのような状態になることが出来るのか?
それを明確にしコンセプトで伝えることで、あなたの商品に価値を感じてもらえるのです。
価値を伝えることが出来れば、安売りや無理なセールスをする事なく、お客様から欲しいと言ってくれるようになります。
独自性を持つ
あなただけしかない、あなたのショップでしかない独自性を打ち出すことで、ライバルと差別化することが出来ます。
wiiの例で言えばこれまでゲーム機はコアなゲーマー向けに開発されていました。
「如何にコアなゲームファンの心を掴むゲームを開発できるか」という中で、「お母さんに嫌われないゲーム機」というのはwii独自のポジションでした。
手軽、みんなで家族でわいわいできる、ダイエット、フィットネス・・・
などソニーやマイクロソフトのゲーム機とは明らかに違う独自のラインナップで大ヒットを飛ばすことが出来たのです。
その業界で皆が同じようなコンセプトを打ち出しているのであれば、それとは全く逆の考え方や見せ方を打ち出すことはとても強みになります。
なお、この独自性には、短期的なものと長期的なものがあります。
お客様の目に見えて、他社から真似され易いものは、短期的な独自性になります。
逆にお客様の目から見え辛く他社からも真似され辛いものは、長期的な独自性になるでしょう。
ちなみに、経営が安定しているショップというのはコンセプトが明確で参考になりますので、短期的な視点と長期的な視点で分析してみて下さい。
※上記で述べた3つのポイントについては、また別の機会にそれぞれ深堀して買いてみたいと思います。
あなたのショップのコンセプトは何ですか? 直ぐに答えられないのであれば、これを機に是非考えてみてください。
コンサルタント紹介:Hiroshi Yamanaka
ネットショップのユーザビリティや導線の設計を手掛けるデザイナー兼コンサルタント。
最近はUSPの構築など戦略全体から手掛ける事も増えているため、
クライアントの価値観や物事の本質を見極めることを心掛けている。