ECサイト運営者なら誰もが、今より売上を増やしたいと考えていると思います。
しかし、多くの運営者が漠然と考えているだけで、具体的にどうすれば売上が増えるかを理解できていません。
そこで、今回の記事では、売上を4項目に分解した方程式を示し、各項目で有効な施策をご紹介します。
皆様のECサイトでもすぐに実現できる項目から順に実践してみてください。
売上を決める方程式とは
ECサイトの売上は、以下の方程式で決まります。
4項目の掛算ですので、どれか1項目でも数字をアップさせれば売上は増えますし、どれか1項目でもゼロであれば売上はゼロになります。
売上=アクセス数×CV率×平均注文数×商品単価
項目①:アクセス数
アクセス数を増やす方法は大きく以下の3種類に分けられます。自社の予算や得意不得意を考え、最も有効な方法を取って下さい。
[SEO対策]
SEO対策とは、Googleなどの検索エンジンで上位表示させるための様々な施策のことです。大きく内部対策と外部対策に分けられます。
内部対策としては、コンテンツの充実、内部リンクの最適化などが挙げられます。
外部対策としては、外部サイトからの被リンク、ソーシャルメディアでの拡散などが挙げられます。
一朝一夕には上手く行きませんが、無料で購買意欲の高いアクセスを集めることができるので、必須で取り組みましょう。
[SMO対策]
SMO対策とは、ソーシャルメディア対策のことです。FacebookやTwitterなどに自社のECサイトのアカウントを開設し、自社の扱う商品ジャンルに興味のあるユーザーを集めましょう。
ただ商品紹介を繰り返すだけでなく、ユーザーが興味を持つような、ちょっと面白いコンテンツや、役立つ情報などを配信することで、ユーザーをファン化させることができ、ECサイト本体にもアクセスを誘導できます。
[PPC広告]
PPC広告とは、検索エンジンの検索結果ページに出稿できる広告のことです。Google AdWordsや、Yahoo!リスティング広告などが挙げられます。
広告ですので費用が掛かりますが、SEO対策と違って、検索結果の1ページ目の目立つ位置に確実に表示させることができます。
広告費を回収して利益を確保することができるのであれば、取り組む価値は充分あります。
項目②:CV率
CV率(コンバージョン率)とは、ECサイトにおいてはアクセス数に対する商品購入者の比率のことです。
CV率をアップさせる秘訣は、当サイトでも過去に記事にしておりますので、詳しくは下記の記事をご参照ください。
関連記事:ネットショップの売上やコンバージョンが上がる色使いとは?
項目③:平均注文数
顧客1人当たりの平均注文数を増やすことは、売上アップに非常に効果的な施策です。
既に商品購入の意思を決めた顧客に、追加で他の商品を購入してもらうことは、新規に顧客を掴むことより遥かに簡単だからです。
具体的な方法としては、特定の商品をカートに入れた顧客に対して、関連する他の商品の購入を促す「クロスセル」という方法が有効です。
たとえば、靴をカートに入れた顧客に靴磨きセットを提案する、IHクッキングヒーターを購入した顧客にIH対応フライパンを提案する、など顧客に違和感を感じさせない提案が有効です。
クロスセルに関しては、Amazonが非常に上手く取り組んでいますので、ぜひ参考にしてください。
項目④:商品単価
商品単価を上げることができれば、売上は確実にアップします。
では、具体的にどうすれば、ユーザーが購入する商品の単価を引き上げることができるのでしょうか!?
ここで有効な対策は、目標とする商品単価よりも高額な商品をラインナップすることです。
一般的に、多くのユーザーはショップ内で最も高額な商品を購入することは稀です。
多くのユーザーは、同一ジャンルの商品の中で中程度の価格帯の商品をチョイスする傾向があります。
そこで、従来の商品単価が5,000円だったのを8,000円まで高めたいとします。
この場合、必要な商品ラインナップは5,000円、8,000円、10,000円の3つの価格帯です。
そうすると、「5,000円の商品は安くて不安だし、10,000円はちょっと高いなぁ」と多くのユーザーが考え、結果として8,000円の商品が最も良く売れるのです。
これは、「横並び」や「無難さ」を重視する日本の消費者には、特に当てはまる心理的な傾向ですので、これからの商品ラインナップの際には、必ず念頭に置いてください。
まとめ
ECサイトの売上は、今回の記事で詳述したように、4項目に分解されます。
皆様のECサイトの現状で、すぐに実践できる項目から一つ一つ取り組んで下さい。
コンサルタント紹介:Hiroshi Yamanaka
ネットショップのユーザビリティや導線の設計を手掛けるデザイナー兼コンサルタント。
最近はUSPの構築など戦略全体から手掛ける事も増えているため、
クライアントの価値観や物事の本質を見極めることを心掛けている。