今回は、特にネットショップの運営で日々忙しくされている方に、是非試して頂きたい内容になっております。
ほんのちょっとの改善でも売上があがれば、継続して取り組むモチベーションになるからです。
ネットショップの売上をあげるためには、やはり継続して改善を重ねて行く事が一番重要です。まずは売上があがることを体感して頂き、継続して改善して頂ければと思います。
改善する際の注意点
- 比較する基準(解析する期間やアクセス数など)を決める。
- 改善する箇所は、必ず一回につき一カ所にして、どの改善が良かったのか分かるようにする。
- 改善前に必ずダメな理由を考えて仮説を立てる。改善後も必ず結果に対しての理由を考える。
- 反映はアクセスの少ない時間帯や曜日にする。
- 継続して改善する。
- 他社の動向もチェックする。
改善を行う優先順位について
限られた時間で効率よく改善をする為にも、以下の改善する優先順位を参考にして取り組んでみて下さい。
今まで見落としていた項目もあると思いますが、改善内容によってはコンバージョン率(購入などの目標達成率)に大きな変化を感じこともできると思います。
1,アクセスの多いページから取り組む
全ページの改善をしようと考えると気が重くなりがちです。
そこで、まずは1ページだけ改善すると考えると取り組み易くなるものです。
その中でもアクセスの多いページから取り組むと効果や変化を感じ易いので、改善を続けるモチベーションにも繋がります。
もちろんアクセスが多い分、影響も顕著に出ますので、改善が失敗すると売上が下がる可能性も当然あります。
万が一うまくいかなかった場合は、うまくいなかった例としてデータ化し、次に繋げることができます。
なお、うまくいかなかった事例に対して何の対策もしなければ失敗で終わってしまいますが、事例をデータ化したりうまくいなかった理由を分析することで、経験を蓄積する事ができます。
あと、アクセスは多いがコンバージョン率(以降CV率)が低いページから取り組むという方法もあります。
この場合はリスクが少なくて、リターンは期待出来ますので、思い切って改善もし易いと思います。
■改善する時のポイントは以下になります。
- CV率の高いページへ誘導するバナーを追加する
- 直帰率が高かったり滞在時間が少ない場合は、ユーザーが求めていることを仮説をたて情報を追加する
- ユーザーの不安要素を解決できる情報を追加する
2.売れている商品のページから取り組む
こちらもアクセスが多いページと同様の理由です。
■改善する時のポイントは以下になります。
- 売れている商品に関連したオススメ商品の情報を追加する
- 商品画像を増やしてみる
- お客様の声を増やしてみる
- 商品購入時のユーザーの不安要素を解決できる情報を追加する
3,購入ページ(決済画面)から取り組む
入口も大変重要ですが、出口つまり購入ページも同様に重要です。
購入ページで離脱している割合は、想像以上に多い場合がありますので、まずはアクセス解析で分析しましょう。
せっかく購入するつもりでいても、手続きが面倒であったり、入力内容や不備内容が分かり辛く最後まで完了出来なかったり様々な理由が考えられます。
以前の記事「決済画面での離脱率を改善できるエントリーフォーム最適化(EFO)20の方法」を参考に改善を図って下さい。
http://ecnote.jp/design/usability/efo20/
あと、フォームで購入することに慣れていない方向けに電話での注文も受け付けてみて下さい。
商品によりますが、高齢者向けの商品を取り扱っている場合は大きな変化を感じるはずです。
なお、出口同様に入口も大変重要ですが、自然検索やリスティング広告、アフィリエイト経由など沢山の流入経路があり、改善に取り組むのは時間も経費も掛かってしまいますので、また別の機会に特集を組みたいと思います。
4,ランディング数の多いページから取り組む
ランディングとは、着地という意味です。
つまり、訪問者が最初にアクセスしたページを着地したページという事で「ランディングページ」といいます。
トップページが比較的多いですが、人気商品の詳細ページということもあります。
グーグルアナリティクスの「行動」→「ランディングページ」で確認できます。
全体をみて共通点を探してみて下さい。訪問者の興味が見えてきます。
また、意外なページにアクセスがある場合もありますので、ランディングされているページは上位だけではなく全体を確認することをオススメ致します。
なお、トップページの場合は、情報を整理するだけでもCV率は上がります。
例えば、人気商品やCV率の高いページへ誘導しやすくナビゲーションを変更したり、バナーを追加するだけでも変わります。
あと、情報量が多すぎるトップページは逆効果になっているケースもありますので、古い情報やアクセスの少ないページへの誘導バナーを削除するなどして整理すると、ユーザーにも使い易いページになり、結果的にCV率が上がるというケースもあります。
是非、ページ全体の情報を見直して整理してみてください。
■改善する時のポイントは以下になります。
- 検索キーワードを調べて、ユーザーの需要とページで提供している情報に相違が無いか解析する
- 流入元ページを調べて、アクセスの意図や関連性を考えてみる
- 直帰率や滞在時間が少ないページは、1の改善ポイントをお試しください
5,離脱率の高いページから取り組む
アクセス解析を確認すると、アクセス数は多いが離脱率が高いページも見つかると思います。
特に決済ページで離脱率が高い場合は、早急な対策が必要です。
なお、離脱率と直帰率と似た指標がありますので、違いをご説明致します。
直帰率とは、そのページだけ閲覧してサイトを離れた割合です。
離脱率とは、サイトを離れた割合の事です。
今回は、サイトを離れた率が高いページから改善を行うのです。
直帰率の高いページの改善も当然必要ですが、今回は離脱率の高いページを優先して改善を取り組みたいと思います。
離脱率と直帰率についての参照:https://support.google.com/analytics/answer/2525491?hl=jas
■離脱には必ず理由がありますが、以下3つの理由が多いです。
・導線や操作が分かり辛かった
・求めているモノがなかった、見つからなかった
・ページが重かった
■改善する時のポイントは以下になります。
- 操作に迷う点はないか?
- 離脱したページの前のページとの関連性を確認する
- 画像や動画などを使い過ぎていないか?
番外編:上手くいっている他店のマネをする
同業種のネットショップはもちろんですが、他業種でうまくいっている方法は試してみる価値が高いです。
偶然、うまくいっていることはありません。
必ず、うまくいっている場合、うまくいっていない場合ともに原因があります。
※うまくいっていない理由の方が分かり易いです。
目に見えない部分の施策も影響している場合も多いですが、まずは目に見える良い部分を取り入れてみることも重要です。
もちろん、そのままマネるのではなく、本質や考え方を取り入れてみるのです。
そうすれば、目に見えない部分で必要な施策も自然と見えてきます。
今回は、効率的かつ効果的な改善方法をピックアップしてみました。
とにかく、少ない労力でも十分に改善ができ、そして売上があがるということを体感して頂き、継続して改善するキッカケになれば何よりです。
コンサルタント紹介:Hiroshi Yamanaka
ネットショップのユーザビリティや導線の設計を手掛けるデザイナー兼コンサルタント。
最近はUSPの構築など戦略全体から手掛ける事も増えているため、
クライアントの価値観や物事の本質を見極めることを心掛けている。