ECサイトが競合と差別化するためのポジショニング戦略

ポジショニング戦略

ここ数年、ECサイトに参入する事業者が増え、どんな商品ジャンルでも競争が激化しています。

 

価格競争に陥ってしまうと、資本力のある大企業には太刀打ちできませんので、価格以外の部分で他社と差別化して競争に生き残る必要があります。

 

ポジショニングとは!?

そこで注目を集めているのが、「ポジショニング」という考え方です。

 

ポジショニングとは、ターゲット顧客の意識の中に、自社商品について独自のポジションを構築し、ユニークな差別化イメージを植え付けるためのマーケティング活動全般です。

 

顧客に自社製品のユニークな価値を認めてもらうことができれば、競合製品に対して優位に立つことができ、過当な価格競争を回避することもできます。

 

つまり、ポジショニングとは、簡単に言うと、「顧客に自社商品をどのように認識してもらうかを決め、それを実現するための戦略を実行すること」だと言えるでしょう。

 

ポジショニング戦略の成功例①:レッドブル

日本では従来から栄養ドリンクの市場規模が大きく、リポビタンDやチオビタドリンクなどの「疲労回復飲料」が大きなシェアを占めていました。

これらのドリンクは、「マイナスをゼロにする」というポジションをドリンク業界で確保しました。

 

一方、海外から日本市場に参入した後発組のレッドブルは、仕事や勉強を頑張る時や、仲間と朝まで遊ぶ時、スポーツで頑張る時など、「ゼロをプラスにする」というポジショニング戦略を描き、見事に成功を納めました。

 

レッドブルは独自のポジショニングを確立することで、1本270円(小サイズは200円)という比較的高価な価格帯で商品を販売し、価格競争に巻き込まれること無く安定的に売上を確保できています。

 

これは、競合だったはずのリポビタンDやチオビタドリンクが100円前後で安売りされているのとは対照的です。

 

ポジショニング戦略の成功例②:RIZAP(ライザップ)

ここ数年、テレビCMや雑誌広告などで話題のRIZAP(ライザップ)をご存知でしょうか?

 

SMAPの香取慎吾や、ナインティナインの岡村隆史など著名人も取り組んでおり、既に広い認知度を獲得していると言ってよいでしょう。ライザップは、トレーニングジム業界で、これまでにない独自のポジショニングを確立することに成功しました。

 

従来のトレーニング業界は、月額8000~12000円程度の大衆向けスポーツジムと、スポーツ選手や芸能人などが利用する専属トレーナーによる超高額のマンツーマントレーニングのほぼ2択という状況でした。

 

そこに切り込んだライザップは、2ヶ月で35万円という「高額だけど手の届く範囲内の金額」で、「専属トレーナーによる完全個室型のスポーツジム」というポジショニングを築くことに成功しました。

 

このポジショニングが大成功し、2012年のライザップ立ち上げからわずか3年で、日本全国に視点を展開し、シンガポールなど海外展開するほどに急成長しています。

 

ECサイトのポジショニング戦略とは!?

ECサイトのポジショニング戦略を考える際、競合他社とは違う切り口で「商品」「顧客層」などを検討することで、自社が充分に戦うことの出来るポジショニングを発見することが大切になります。

 

商品によるポジショニング戦略

商品によってポジショニング戦略を考える場合は、競合他社が国産品ばかり扱っている場合は輸入品を取り扱う、競合他社が高価格帯の商品ばかり扱っている場合は低価格や中価格帯の商品を取り揃えるなどの対策になります。

 

また、輸入品を扱う場合でも、競合他社が扱っていないブランドや、日本未進出のブランドなどを扱うと、より差別化が容易になるでしょう。

 

顧客層によるポジショニング戦略

同ジャンルの商品を販売する競合他社と、ターゲット顧客層を差別化することも有効です。

 

たとえば、栄養補助食品を販売する大塚製薬は、30~50代の男性から支持される「カロリーメイト」で大きなシェアを獲得しました。

 

しかし、この商品は、女性からの売上は低いという問題点がありました。

そこで、「ソイジョイ」という同カテゴリの製品を開発し、こちらは女性を中心に若い世代に受け入れられるポジションを目指し、パッケージデザインなどもスナック菓子のような軽いイメージにしました。

 

結果として、大塚製薬は健康補助食品という市場で、より大きなマーケットシェアを獲得することに成功しました。

 

ECサイト運営においても、競合他社との競争に苦戦している場合は、思い切って対象となる顧客層を変更してみると、そこにはブルー・オーシャンが存在するかもしれません。

 

実店舗とは異なり、商品棚のスペースに限りが無いECサイトだからこそ、ぜひ対象顧客層を変更したポジショニング戦略を実行してみては如何でしょうか?

 

ECサイトポジショニング戦略のまとめ

今回の記事では、ポジショニング戦略についてご紹介しました。

競合他社と正面切って市場を奪い合うのではなく、ポジショニング戦略によって、より競合性の低い市場を見つけることを、ぜひ考えてみてください。

 

山中洋史

コンサルタント紹介:Hiroshi Yamanaka

ネットショップのユーザビリティや導線の設計を手掛けるデザイナー兼コンサルタント。
最近はUSPの構築など戦略全体から手掛ける事も増えているため、
クライアントの価値観や物事の本質を見極めることを心掛けている。

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