ECサイトの強みのひとつは、なんと言っても全国どこからでも購入してもらえることです。
運営側も宅配便が手配できるところであれば、全国どこでも運営できて顧客に商品をお届けすることができます。
その顧客はもちろん”日本のどこかにいる”わけですが、日本といってもそれぞれ住んでいる地域が違います。
日本全国を相手にできるECサイトだけに、ついつい「全国の不特定多数」を相手にしてしまい、購入客の住んでいる地域まで考えが至らないことは多いです。
しかし、ECサイトにおける購入の動向を詳しく見ていけば、購入者の地域によってニーズや好みがずいぶんと違っている事が見えてきます。
それらを把握することは商品カテゴリーによっては、漫然と全方向に向けた商品展開をするよりも効率がよく、マーケティングにおける強力な武器になります。
今回はそんな中でも東京・大阪やその他主要都市といった都心部に居住のユーザーの動向にスポットを当ててみたいと思います。
都心部の購入者の傾向
都心部のユーザーが特に購入することが顕著なものに大きな物や重い物があります。
車を所有していない割合がとても高いためちょっとでも大きい・重いとECサイトでの購入を考えるユーザーが圧倒的に多いですね。
大きく重い商品
例えば、それを念頭に置けば、大きく重い商品で多少の優位性があるものであれば、都心の顧客に照準を合わせることで特に送料などを割り引かなくても購入には結びつくということです。
また定期購入などで割引しお得感を出すことも有効です。
食品
これも大きい・重いとも結びつきますが、食品も都心の購入率が高いカテゴリーです。
都心部でも質のいい食品が手に入る時代にはなりましたが、いいものは比較的高価だったり、やはり車がないことでスーパーなどの選択肢が限られてきます。
そのようなことが影響して、届くまでの手間や送料を差し引いてもECサイトで購入するほうがお得なのはいうまでもありません。
また、食材に拘る方や富裕層も比較的都心に集中しているため、プレミアムな食品の購入率も都心が高めです。
以上のことをふまえて商品ページの作り込みを、より都心のユーザーが魅力的に感じるように表現方法を工夫したり訴求することで購入率が伸びる可能性は非常に高いです。
ファッション
そして、意外かもしれませんが、ファッションも実は都心部のユーザーの購入率が高いカテゴリーです。
「え?何で?近所にお店なんてたくさんあるんじゃないの?」と思われる方も多いかもしれません。
実際その通りなのですが、逆にそれが購入動機になっている一面があります。
心理的な話にはなるのですが、近所に行ける店舗が沢山あり、選択肢が多いとより厳密に「欲しいもの」を求める傾向が出やすいようです。
例えば「花柄のワンピースが欲しい」ではなく「〇〇な花柄のワンピース」が欲しいとより細かく商品を決めて買う層が比較的多く、そのようなタイプの消費者は求めていたものとちょっとでも違ったら妥協して買うことはしません。
「欲しいもの」が見つからなければ、ネットでより理想的なアイテムを探すわけです。
これは都心に限った話では無いとはいえ、都心で特に顕著なので、例えばそのようなニーズにハマるような、よく市場に流通しているものにプラスアルファを加えた商品を用意することで、それらを探しているユーザーに独占的に販売できます。
今回このようにご紹介しましたが、これはあくまでもよくある傾向に過ぎません。
店舗や詳細な商品カテゴリーによってはこの通りとは限りません。
重要なのは自店舗に訪れている顧客の居住地域の偏りに着目して、その背景を考えてみることです。
この機会に一度そのようなことを是非考慮してみてください。
コンサルタント紹介:Hiroshi Yamanaka
ネットショップのユーザビリティや導線の設計を手掛けるデザイナー兼コンサルタント。
最近はUSPの構築など戦略全体から手掛ける事も増えているため、
クライアントの価値観や物事の本質を見極めることを心掛けている。
ネットショップの売上改善のご相談を3社限定無料で承っております
同じカテゴリー「マーケティング」の記事一覧です
- ECサイトのアフィリエイト・マーケティングとは!?
- ECサイトの集客にリスティング広告を使う5つのメリット
- ECサイトのカスタマージャーニーマップの4ステップ【後編】
- ECサイトのカスタマージャーニーマップの4ステップ【前編】
- 小規模ECサイトでも導入できるコンテンツマーケティングの3つの方法
- 小規模ECサイトでも出来る!オムニチャネルへの5つの取り組み
- ネットショップの売上アップを実現する動画活用法
- 潜在顧客を掘り起こすショップブログの書き方と3つのコンテンツとは!?
- ネットショップの売上を上げるメルマガの書き方と有効な5つのコンテンツ
- ビデオコマースの海外事例vol.4〜まさにビデオコマースの究極形?!