ビデオコマースの海外事例vol.3~商品紹介動画を作成するときに大切な「3つのP」とは?

ビデオコマース

海外の成功事例から学ぶシリーズとして「ビデオコマース(Vコマース)を活用したECサイトの成功事例vol.2~YouTubeチャンネルを活用しよう」を前回ご紹介致しました。

 

第3弾の今回は、商品紹介動画を作成するときにおさえておきたいポイントについてご紹介します。

 

ECサイト上で動画を導入する際に、大半のサイト運営者がまず考えるのは、自身の商品を紹介する動画を掲載するということです。

 

しかし、各商品ページに「どういう動画を掲載すればいいか」「どういう動画を作成すればいいのか」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

 

そこで、本記事では商品動画を作成するために覚えておきたい「3つのP」についてご紹介します。

 

Persona(ペルソナ=商品を購入・利用する人物像)

ペルソナとは、自社の商品やサービスを購入する(してほしい)架空の人物像のことです。

性別や年齢、性格はもちろんですが、職業や趣味、ライフスタイル、家族構成など、まるで実際に存在するかのようなリアルな顧客像を定義したものです。

 

このペルソナ像が、商品を買う理由や買う前に不安に感じる事、また商品購入後に得られることが明確になっているか考えましょう。

  • お客様は、購入する時の何に対して不安を感じているのか?
  • お客様は、商品を購入して何を得たいのか?
  • お客様は、どういうシチュエーションでこの商品を使うのか など…

例えば、キャンプ用の大型テントについて紹介すると想定しましょう。

ペルソナを「30代の夫婦」と設定し、「子どもと一緒にキャンプで使う」というシチュエーションをイメージするのであれば、動画には家族でキャンプを楽しむ雰囲気とテントを使うシーンを取り入れるとお客さんはその商品を購入すると家族で楽しい時間を過ごす事ができるとイメージができて商品に興味を持ってくれやすくなります。

 

作成する動画はペルソナがその商品を使うシチュエーションを意識して、ペルソナに訴求できるような内容を作ることを心がけましょう。

 

Product(製品)

特にオンラインで購入するお客さんの場合は、直接商品を目の前で見ることも触れることもできません。

その経験を補完するために、動画を使って製品の機能や特徴やメリット・デメリットなどをきちんと紹介する必要があります。

  • 商品の大きさ、重さ
    →数字で示すだけでなく、大きさが分かるように比較対象物を用意し、実際に人が持っている様子を紹介する
  • 商品の機能や特徴
    →商品はどうやって保管するのか?コンパクトに折りたたむことはできるのか?屋内で使えるのか?屋外で使えるのか?カラーバリエーションは?サイズ展開は?

できるだけお客さんがその商品を手にとって見ているかのような動画を作成することを心がけるとよいでしょう。

 

Proof Point(具体例、経験談)

その商品の使用感をもっと知りたいというお客さんなら、「実際に使ったことがある人の話を聞いてみたい」「どういう場面で使えるのかを知りたい」という衝動に駆られるはずです。

  • どんな人が購入しているのか?
  • どういうシチュエーションで使えるのか?
  • その商品を使うとどんな気分になるのか?どんなメリットが得られるのか?
  • 実際にどういう機能が使いやすいのか?

新商品を紹介する際に体験談が得られにくい場合などは、実際にスタッフが使用する様子や使用例を紹介するといいでしょう。

 

商品紹介動画の参考例

Crutchfield

http://www.youtube.com/watch?v=pbyBm4KwZ5k

オーディオ機器を扱う「Crutchfield」の下記の動画は、商品の機能や特徴などをスタッフが語っています。

ペルソナを意識して、動画の中盤で家で楽しいひとときを過ごす家族の様子がわかる写真を組み入れたり、フォルムがわかるようにさまざまな角度から商品を紹介したりといった工夫がなされています。

 

Orvis

http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=f0NacjbUWQY

魚釣りに使用するリールを紹介する動画です。終始、そのリールを使って釣りをする様子と使用感などを紹介しています。

リール部分がアップで映しだされるとだいたいどういう大きさなのかが分かりますし、どういうシチュエーションで使えるのかも理解できる工夫がなされています。

 

Wine of the Month Club

http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=4LCKeKRqVqM

ワインを販売するECサイトの商品紹介動画です。

動画で伝えることが出来ないことに味や香りがありますが、ワインの色やグラスの動き、二人がそのワインを口にしたときの瞬間の表情や味わいを見ていると、まるで自分もそのワインを楽しんでいるかのような気分を体験できます。

動画で伝えられない商品情報をその他の情報で補うためのヒントになるのではないでしょうか。

 

はじめての動画の撮影で押さえるべき3つのポイント

最近は本格的な撮影機材が無くても、Iphoneなどのスマホでとてもクオリティの高い動画を気軽に撮影できるようになりました。

さっそくビデオコマースにチャレンジされたいと思った方は、以下の3つのポイントを意識して撮影してみてください。

 

喋るテンポやボリューム、音声の入力レベルやノイズに気をつける

商品紹介のための動画をご自身で作成される際には、メッセージを明確に伝えるために音声にはこだわって撮影を行いましょう。

しゃべっている音声が聞き取り辛いと、いくら画質が良くてもメッセージが届きません。

第三者の意見も取り入れつつ、テンポやボリュームを調整してみましょう。

ちなみに、喋るときのテンポは、少しゆっくりかな?と思う位がちょうどよい場合が多いようです。

 

また、感度の良いマイクがあれば一番ですが、録画時の音声入力のレベルやマイクの向きを調整するだけでも音声がクリアになり印象が随分と変わります。

撮影前に何度かテストを行い、聞き取り易いレベルやマイクの向きを確認するとよいでしょう。

 

なお、最近のカメラはマイクの感度も良くなっているため、逆にノイズも拾い易くなっています。

例えば室内で撮影する時は、エアコンや冷蔵庫などの電気製品のノイズが入らないに気をつけましょう。

エアコンの風がマイクに当たったり、普段気にならない冷蔵庫の低音のノイズを拾ったりしますので、必ず撮影前にテストを行いノイズのチェックもしましょう。

 

照明を工夫する

照明器具を使いこなすことは、非常に難しいです。

しかし、専門的な照明テクニックを使いこなせなくても、光の量や角度を変えるなどほんの少し工夫するだけで印象が随分変わります。

また、光が足りない時に使うレフ版(被写体に光を反射させる補助器具)が無い場合は、白いペーパーや傘を代用したり、壁に光を反射させたりするという事で同様の効果を得る事もできるようです。

撮影前に何度かテストを行い、どのように写っているのか必ずチェックをしましょう。

 

撮影時間は5分以内に収める

ネットショップの利用者の傾向として、隙間時間に商品を検索して比較検討することが多くなってきています。

つまり、あまり長い動画だと見てもらえない可能性もありますので、隙間時間でも見て貰える5分以内に収めた方がよいでしょう。

 

上記の事例とポイントを参考に商品紹介の動画を作成し、ビデオコマースも他の施策と同様にPDCAサイクルを回して改善を重ねていきましょう。

 

山中洋史

コンサルタント紹介:Hiroshi Yamanaka

ネットショップのユーザビリティや導線の設計を手掛けるデザイナー兼コンサルタント。
最近はUSPの構築など戦略全体から手掛ける事も増えているため、
クライアントの価値観や物事の本質を見極めることを心掛けている。

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是非商品購入後の未来像がイメージできる商品写真とテキストをご準備してご利用下さい

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