今回は、カスタマージャーニーマップの4ステップの後編です。
前編では、「カスタマージャーニー」という考え方の概要と、「ステップ①:顧客が商品・ECサイトを認知する」を見てきました。
まだ読んでいない方は、ぜひ前編から御覧ください。
今回の後編では、
【ステップ ②:購入意欲を換気されて】
【ステップ ③:実際に商品を購入し】
【ステップ ④:商品を受け取って満足する】
を見ていきます。
ステップ②:顧客が購買意欲を換気される
ステップ①をクリアすると、顧客はあなたの販売する商品やECサイト自体を認知しています。
しかし、認知しただけでは商品の購入には結び付きません。そこで、顧客の購買意欲を喚起する必要があります。
顧客が「この商品欲しい!」「この商品を買わなきゃ!」と思うのは、どんな時だと思いますか?
もちろん、顧客の購買行動は複雑化していますので、一人ひとりの顧客によって、購買意思を決定する要因は異なります。
一般的な傾向として、顧客は「その商品を購入することで、より良い未来が実現できる」と思った時、商品を購入するのです。
マーケティングの世界では、「商品を売るな!顧客の未来を売れ!」ということがよく言われます。
商品自体を売ろうとすると、思うように売上をあげることはできません。
つまり、その商品を使ったことで、顧客はどんな未来を手に入れるのか、その将来像を臨場感を持って具体的にイメージさせることができれば、商品は飛ぶように売れるのです。
たとえば、東京在住・彼氏ナシの20代のOLさんが、3万円の可愛いワンピースを買うかどうか悩んでいるとします。その際に、ワンピース自体の魅力をアピールしても、購入に至るケースは少ないでしょう。
そうではなく、「その3万円のワンピースを着て、もっと可愛く魅力的な女性になって、素敵な男性に週末のデートに誘われて、彼氏ができて幸せになる」という魅力的な将来像をイメージさせるのです。そうすれば、商品が売れる確率は高まります。
ECサイトでは、実店舗のように販売員が直接接客することはできませんので、「商品写真・イメージ写真」「キャッチコピー」「商品説明文」が重要になります。
これらを駆使して、顧客の輝かしい将来像をイメージさせることを念頭に、写真やテキストを用意しましょう。
ステップ③:顧客が実際に商品を購入する
顧客の購買意欲を充分に喚起することができたら、いよいよ商品の購入です。
「カゴ落ち」という言葉を聞いたことがあるかと思いますが、ECサイトでは、カートに商品を入れたにも関わらず、最終的に商品購入に至らないケースが少なくありません。
顧客が商品購入を思い止まる原因を一つ一つ取り除くことで、カゴ落ち率を低下させることを目指しましょう。
「送料無料」という言葉は強力!
ECサイト最大手のAmazonでは、販売業者が直接発送する一部の商品を除き、基本的に全ての商品が送料無料です。ECサイト利用者の多くが、Amazonでの買い物経験があるため、送料無料であることに慣れています。
そのため、いざ商品をカートに入れて購入手続きを進めても、送料を取られることを理由に購入を止めてしまうことがあります。
そこで、全ての商品を送料を織り込んだ価格設定にして、送料無料を打ち出すことは非常に有効です。
購入完了までのステップを最小限にしよう!
個人や小さな企業が運営するECサイトの中には、商品をカートに入れてから購入完了するまでに、何度も画面遷移を繰り返さなければならないサイトが散見されます。
画面遷移の回数が多ければ多いほど、カゴ落ち率は高まります。
「カートに入れる」⇒「配送先・決済情報などを入力する」⇒「確認画面」⇒「購入完了」の4ステップのみにして、できるだけシンプルに買い物を終えられるようにしましょう。顧客が入力すべき項目を最小限に留めることも重要です。
ステップ④:顧客が商品を受け取って満足する
顧客が商品を購入したら、次は商品の受け取りです。宅配便で商品が届き、箱を開封して商品を取り出す瞬間。
ECサイトで商品を購入した顧客が、最も期待を膨らませてワクワクする時です。
このタイミングで顧客を満足させることができれば、その顧客をリピーターにできる可能性が高まります。逆に失望させてしまったら、その顧客は二度と戻って来ないでしょう。
難しいことを考える必要はありません。「綺麗に梱包する」「商品を丁寧に緩衝材で包む」「商品購入の礼状を同梱する」「困った時の問い合わせ先を明記する」「カタログを同梱する」など、すぐに出来ることから取り組んでください。
ECサイトのカスタマージャーニーマップの4ステップのまとめ
ECサイトのカスタマージャーニーマップの4ステップをご紹介してきました。
カスタマージャーニーマップとは、「顧客視点」で購買行動を把握するものです。
常に顧客視点を忘れずに、日々のECサイト運営に取り組んで下さい。
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コンサルタント紹介:Hiroshi Yamanaka
ネットショップのユーザビリティや導線の設計を手掛けるデザイナー兼コンサルタント。
最近はUSPの構築など戦略全体から手掛ける事も増えているため、
クライアントの価値観や物事の本質を見極めることを心掛けている。
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