前回の記事では、カスタマーサポートの仕事や求められるもの、という基本的な話をさせてもらいました。
しかし、消費者の立場から見ると出来て当然であり、それで初めてゼロ地点という認識です。
それ以上の満足を顧客に提供するのであれば、もう一段上のカスタマーサポート及びサービスを実施する必要があります。
今回は、もう一段上を目指すカスタマーサポートのお話をさせていただきます。
クレームを未然に防ぐ方法
クレームは、できるなら起きては欲しくないものです。
しかし、完璧な人間はいないように、完璧な商品というものも無いですし、全くのゼロにすることは不可能です。
それでもクレームを出来るだけ少なくする手段として、クレームを未然に防ぐ方法ということがあります。
そもそもクレームとはなぜ起こるのでしょうか?
一つのケースとしては配送関係です。
商品の到着が遅い、届かない、などのクレームです。
このようなケースは、どこに原因があるか分からないので、しっかりと問い合わせ番号などで追跡したり、配送業者に電話したりして事実関係を明らかにしてください。
少なくとも自分たちの責任のある部分であれば
・二度とそのようなことが起きないようにマニュアル化する。
・配送業者に非がある場合は、同じ問題が起きないように仕組みを見直す。
という事しか出来ないと思います。
それ以外のクレーム内容だと、商品に対するクレームになると思います。
商品に対するクレームがどういうときに起きるかというと、一般的にはお客様の商品に対する期待値が現実のものより高すぎたから・・・だと言われています。
例えば、お客さんの商品に対する期待値が80点まで上がっていたときに、実際の商品がその期待値とあまりにかけ離れている時にクレームに発展してしまうのです。
このことに対する対処法は一つです。
お客様の期待値以下の商品サービスを出さない。
もしくは期待値を上げ過ぎない、ということも言えます。
例えば、商品説明ページで実際のものより誇張して説明する。
所謂、誇大広告をしない・・ということになります。
当たり前のことのように聞こえますが、ネットの世界では煽りや誇張をして販売しているケースが結構多いのです。
また、実際に自分ではそんなつもりはなくても、お客様に誤解されてしまうような説明をしているときもあります。
そのようなことを自分たちで気付き認識するには、お客様からのクレームの声が上がったときが一番の機会です。
そのときには、必ずどんな内容のクレームだったのかを記録しましょう。
・お客様のお名前
・入電日時とその時の担当者名
・クレームの内容
・問題に対する解決策や提案の詳細
・その問い合わせがあった時の着地点
(○○という形で解決した。○○の部署に確認にを取り、△△日までに折り返しお電話する約束を取り付けた・・・など)
また、クレームに対しての解決まで時間がかかり担当者が変わる場合も考えられます。
その際に前回と同じ内容のことをお客様に伺ったりしては、お客様側からすれば煩わしくより深刻化するかもしれません。
別の担当者が受け持ったとき、上記のような内容の詳細が記されていれば円滑な引継ぎが可能となります。
出来るだけ最短で円滑に問題解決に辿り着くためにも、必ず先に挙げた問題の重要な箇所は記録しておくようにしてください。
もし、商品説明になにか誤解を与える記述があったというなら、具体的にどこの部分を読まれてどう解釈したのか?
そのようなことを深堀して聞いていくのです。
何処のどんな表現がまずかったのか分かれば修正ができます。
一度合ったクレームは次回以降絶対にないように、記録を取りレポートにして全員でシェアするようにすると良いでしょう。
シェアすることで事前の対策や防止策を立てやすくなります。
KDDIに学ぶプロアクティブなアクティブサポート
一般的にカスタマーサポートやコールセンターというと、お客様からのメールや連絡待ちという受身のイメージがあります。
しかし、KDDIは実際にコールセンターに届くクレームや問題が、実はtwitterなどのソーシャルメディアで、発信されていることに着目しました、
どういうことかと言うと、twitter上で呟かれている自社のサービスの不満点や問題点を収集し、直接twitter上で問題の解決やヒアリングをするようになりました。
それらの顧客情報を社内で共有することでQ&Aの改善や、カスタマーサービスのサービス拡充に役立てることができたのです。
このような取り組みにより、以下のような成果が表れたそうです。
・困っているお客様を発見しこちらから積極的に対応することで未然にクレームを防げた
・コールセンターに届く前に不満な声を集めることでクレームに対する事前準備が出来て顧客満足度が向上した
・購入検討中の見込み客にも情報提供できたので、そこから購入に繋がったケースもあった
まとめ
今回の例のようにソーシャルメディアやスマートフォンの普及により、カスタマーサービスのあり方も大きく変わってきています。
twitterや今ではLINEもビジネスに使えるようになり、ますます情報発信しお客様とのコミュニケーションが取り易い時代となっています。
これまでのカスタマーサポートやコールセンターの待ち一辺倒ではなく、どんどんこちらから交流することが出来るのです。
それらを最大限活かす事で、お客様にとって本当に便利で求められるカスタマーサービスができるのではないでしょうか?
今回のお話を参考にして、是非一段上をいくカスタマーサポートを目指してください。
コンサルタント紹介:Hiroshi Yamanaka
ネットショップのユーザビリティや導線の設計を手掛けるデザイナー兼コンサルタント。
最近はUSPの構築など戦略全体から手掛ける事も増えているため、
クライアントの価値観や物事の本質を見極めることを心掛けている。