ここ最近、EC業界からも消費者からも注目されているのが、家電量販店ヨドバシカメラのオンラインストア「ヨドバシ・ドット・コム」です。
EC業界では長らく、アマゾン・ジャパンと楽天市場の2社がシェアを争う構図でしたが、そこに急成長中のヨドバシ・ドット・コムが割って入る展開になりつつあります。
今回の記事では、ヨドバシ・ドット・コムの急成長の理由を3つのポイントからご紹介します!
ポイント①:スピーディな配送
ヨドバシ・ドット・コムでは、国内の主要都市を中心に人口カバー率70%のエリアで当日配達を実現しており、98%のエリアで翌日までの配達を実現しています。
これは国内主要都市に巨艦店舗を擁しており、物流センターを整備しているヨドバシカメラだからこそ可能な戦略で、現状はAmazonも楽天市場も追随できない強みになっています。
筆者が2015年6~7月に各社を利用した結果は下記の通りです。Amazonは有料サービスを利用すれば、当日中の受取も可能ですが、無料配送の場合は翌日配送・翌々日受取になるケースが多いようです。
また、楽天市場の場合は業者ごとに対応にバラつきがあり、場合によっては5日~1週間程度も待つことがあります。
・ヨドバシ・ドット・コム:注文から約6時間後に自宅に届く
・アマゾン・ジャパン:注文翌日に配送され、注文から2日後の午後に届く
・楽天市場:注文翌日に配送され、注文から3日後の午前中に届く
ポイント②:急速に拡大する品揃え
ヨドバシ・ドット・コムは、開始当初は家電製品や玩具などを中心にした品揃えでしたが、現在では食料品やアウトドア・スポーツ用品、キッチン用品、文房具、書籍・雑誌など急速に消費の幅を拡大しています。
現状では先行するAmazonと楽天市場の2社には及びませんが、今後数年以内に先行2社に太刀打ちできる品揃えになることが予想されます。
ポイント③:ネットと実店舗のシームレスな融合
スマホが普及して以来、大手量販店は消費者からショールームとして利用され、店舗で手に取って商品を確認した後、実際の購入はAmazonや楽天市場のスマホアプリで済ませるという現象が起こりました。
しかし、ヨドバシはこの現象を逆手に取り、消費者が全商品の値札バーコードをスマホアプリで読み取れば、「ヨドバシ・ドット・コム」の該当ページで競合他社との価格比較や商品購入まで可能な仕組みを整えました。
また、ヨドバシ・ドット・コムで注文して、ヨドバシの実店舗で商品を受取るサービスも開始し、忙しくて自宅にいる時間の少ない層の取り込みにも成功しています。
特に東京・秋葉原と大阪・梅田の店舗では24時間の受取サービスを実施しており、従来とは違った客層を惹きつけています。ネットと実店舗をシームレスに利用できることで、従来にない利便性を消費者に提供していると言えるでしょう。
まとめ
今回の記事では、急成長中のヨドバシ・ドット・コムを取り上げました。
直近のデータによると、Amazonの年間売上高が約7500億円、楽天市場の年間売上高が約1兆3000億円に対して、ヨドバシ・ドット・コムの売上は約800億円に過ぎません。
しかし、他社にない強みを活かした今後の成長性は要注目です!
コンサルタント紹介:Hiroshi Yamanaka
ネットショップのユーザビリティや導線の設計を手掛けるデザイナー兼コンサルタント。
最近はUSPの構築など戦略全体から手掛ける事も増えているため、
クライアントの価値観や物事の本質を見極めることを心掛けている。
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